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モーエンセンがデザインした名作『J39』。
↓こちらは、デンマークの若きデザイナー、トム・ステップがその『J39』をリ・デザインした作品『JIVE(ジャイブ)チェア』。
この椅子には、面白い誕生秘話があります。
1995年、デンマーク・コルディング市の美術館で、若いデザイナー達によって、ハンス・ウェグナーのYチェアがチェーンソーで切り刻まれるという、斬新なイベントがあったそう。
彼らはデンマークの巨匠達の影に隠れてしまい、自分たちの自由な思想が出せない環境に、反発していたのだとか。
そんな状況に、家具メーカーは自分たちにも責任があると反省し、若いデザイナー達を育てていかなくてはいけないと考えた。
KVIST社(現在はフレデリシア社と合併)も例外ではなく、2000年に向けてJ39に似た新しい椅子を作りたいと考え、トム・ステップにオファー。
そこで彼がデザインしたのが、JIVEチェア。
JIVEは、J39の構造をそのままうつしています。
これまでの歴史と経験から学んだことに、その時できるテクニックを加えたJIVEは、背板には成型合板(J39はムク板)、ねじや釘を一切使わずに後ろ脚に背板をはめ込む(J39も同様)技術を使ったとのこと。
苦労の末、完成したJIVEを見たトム・ステップは、「ボーエ・モーエンセンはボーエ・モーエンセン、自分は自分なんだ」と納得し、そして「昔のデザインのせいではない。自分が自分を超えなければいけないんだ」と語ったそうです。
"Yチェア"を切り刻むなんて、すごい反発ですが、それだけ偉大な先人を超えるのは大変ってことなんでしょうねー。