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ダイニングチェアCH36【1962】

シェーカーチェアをリデザインした、ダイニングチェア"CH36"。

"Yチェア(CH24)"同様、手作業による全体の組み立てと、ペーパーコードの座の張り以外は、機械生産を導入しているため、比較的安価な逸品です。

背もたれがすっきりとしたシェーカータイプなので、背がゆったりとカーブしているYチェアほどスペースをとらずに、コンパクトなダイニングルームの場合にはこちらの方が適しているといえます。

しかし、座面の横幅はYチェアよりも少し幅広なため、コンパクトなわりに、ゆったりとした座り心地です。

たしかに、ダイニングチェアとしては、YチェアよりCH36の方がよいかもしれませんねー♪

ただ、その場合、同じくシェーカーチェアをモデルにした、ボーエ・モーエンセンの名作J39も捨てがたいと言えますw

「北欧モダン・デザイン&クラフト展」

先日紹介した「北欧モダン・デザイン&クラフト展」にようやく行ってきました。
現在('08年1月14日まで)東京オペラシティ・アートギャラリーにて開催されています。

nordicd_c.jpg

1940年代以降のデンマーク・ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの北欧4カ国の、照明・椅子・陶磁器・ガラス器などのデザイン&クラフトを、"伝統""機能""表現"の3つのアプローチで紹介しています。

楽しかったですよー♪
私としては、ヴィンテージものの貴重な椅子がいくつも見れて、テンション上がりまくりw

ハンス・ウェグナーの"ザ・チェア""チャイニーズチェア"は超レアな初期バージョン。
"ザ・チェア"の初期バージョンは中古家具屋で一度見たことがあったのですが、"チャイニーズチェア"の初期バージョンは初めて!

最大の違いは、笠木が曲木(現行)か、削り出し(初期)か、なんですが、写真やパッと見では大して差はかんじないんです。
しかし、近くで見るとディテールがすごく違うんで、ビックリ。
やっぱ、削り出しは職人技ですねー♪

nordic_cat2.jpg
↑この展覧会のカタログ

また、フィンユールの椅子も貴重です。
中古家具屋でもめったに見かけませんからねー。
"世界で一番美しい肘掛を持つ椅子"と言われる「イージーチェア No.45」や、雑誌"北欧スタイルNo.9"の表紙に使われた「エジプシャンチェア」は必見。

ポール・ケアホルムの名作"PK22"のプロトタイプもグッときましたーw

そのほか、ヤコブセンやアアルト、モーエンセン、パントン、カイ・フランク、タピオ・ウィルッカラなど有名デザイナーが目白押しです。
北欧好きの方には、ぜひ見に行ってもらいたいですねー。

そこで、これから行く人のための小ネタ情報を2つ、下に書いておきましたので、よかったらどうぞ。
↓  ↓  ↓
http://oldoak.seesaa.net/article/73046768.html#more


東京オペラシティ・アートギャラリー【HP
東京都新宿区西新宿3-20-2
TEL. 03-5353-0756
開館時間 11:00 〜 19:00(金・土は20:00まで/入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)

"Yチェア"のジェネリック

言わずと知れたハンス・ウェグナーの代表作"Yチェア(CH-24)"。

日本でも人気の椅子ですが、不思議と中古品って出回ってないんですよねー。
まぁ、デザイナーズチェアとしては新品でも安いですから、本国(海外)から中古品を仕入れないのはわかります(コンテナ代で新品と値段がかわらなくなる!?)が、国内のものが流出してもよいと思うのですが。。。

そんなわけで気になるのは、ジェネリック(リプロダクト)品。

ジェネリック品って、ご存知ですか?
医薬品などで聞いたことはあるかもしれませんが、家具の場合、意匠版権の切れた製品をオリジナルに忠実に復刻したものです。(※くわしくは下記参照)

最近は、正規品が高価なバルセロナチェアやイームズのラウンジチェアなどがけっこう出回ってますね。

で、↑こちらはいわゆる"Yチェア"のジェネリック品(中国製)で24,150円と、お安いですねー♪
正規品(CH-24)は、カールハンセン社製(ちなみにCarlHansenの頭文字をとってCH)でだいたい7万円以上ですからね。

評判を調べてみると、木の色のムラがあったりすることもあるようですが、概ね好評のようです。
うーん、ちょっと手を出してみたくなりますなー♪

蛇足ですが、このイスの販売ページを見ると、"Yチェア"という表記をほとんど使っていません。
おそらくイス自体の意匠版権は切れているものの、"Yチェア"という名前は商標登録されていて、使うことはできないんでしょうねー。

とすると、ネット上で"Yチェア"という単独の単語で検索しただけでは、ジェネリック品の販売ページは見つけにくいってことになりますね。
ジェネリック品を探すときには、要注意!

【ジェネリック(リプロダクト)製品とは】
デザインに対する版権(保護期間20年)の期限が切れた製品を、オリジナルに忠実に復刻したもの。
違法なコピー商品とは違いますが、ブランド(正規復刻)品として取引される製品に比べ価格が安く設定されています。

ロッキングチェアJ16【1944】

シェーカーのロッキングチェアをモデルにしたウェグナーの名作・J16。

このJ16は、ウェグナーのデザインとされていますが、専門家筋は彼の親友ボーエ・モーエンセンとの共同作品だと見ているそうです。

というのは。。。
1940年代後半、デンマーク・コペンハーゲンでシェーカー家具の展示会が開催され、
当時フリーのデザイナーだったウェグナーと、FDP(現クビスト)社の雇われデザイナーだったモーエンセンが訪れ、シェーカーのロッキングチェアに腰掛けて話をしていたそう。
そこへ、FDPの社長がやってきて「うちもロッキングチェアがほしいので何とかしろ」と言い残し去っていった。

その後、2人共同で開発した(らしい)ものの、サラリーマンだったモーエンセンはこのイスの契約書にサインはしなかったと思われる、とのこと。

ちなみに、このチェアのアーム前方部分が少し外に開いているのは、当時ウェグナーの奥さんが妊娠中だったので、妊婦さんが「出入り」しやすく設計されているそうです。

ウェグナーらしい、温かみのあるきれいなデザインですよねー。

また、1998年にユーザーの要望に応えて、フットスツールも作られました。

イージーチェアPP112【1978】

18世紀初めにイギリスのウィンザー地方から広まり、多くの椅子に影響を与えた"ウィンザーチェア"。
そして、そのウィンザーチェアをリデザインしたといわれる、ウェグナーの代表作"Peacock chair(ピーコックチェア)"

どちらも、背のスピンドル(縦棒)が特徴的なわけですが、こちらのイージーチェア(PP112)もスピンドルづかいが独特ですねー♪

いわゆるウィンザースタイルと呼ばれる形から脱却し、同じく彼の代表作"Chinese chair"と、"ウィンザーチェア"を融合させたような印象を受けます。

単独でオブジェ的な使い方よりも、ラウンジチェアなどとして実用的に使いたい逸品ですw

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Profile

市朗。横浜在住。
建築学科卒。30代。
ハンスJ・ウェグナーのほかF.L.ライトなんかが好き。
木フェチ。チークはいいですよねー。

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