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GE-215【1955】

ハンス・J・ウェグナーがデザイン、GETAMA社製のアームチェア「GE-215」。

こういったラウンジチェアやソファなんかのウェグナー作品で、全体が金属フレームというのは珍しい(^^
言われてパッと思いつくのは「フラッグハリヤード」ぐらいだなぁ。(脚がスチールパイプというのはままありますけどね)
ただし、肘には木材をもってくる(オークかな?)のはウェグナーらしいこだわりでしょう。

背もたれを受け止めるのはキャンバステープ、座面を支えるのは波形スプリング、なので経年には弱そう。。。
つまり、けっこうなレアものでしょうね♪
と思ったら、『こちらは10数年前に造られたヴィンテージ家具です』と書いてあるので、そんなに古いものじゃないのかぁw

「ザ・チェア」初期バージョン限定復刻

今回もハンス・ウェグナーの生誕100周年を記念した限定復刻アイテムです。
言わずと知れたウェグナーの代表作「THE CHAIR PP501」です。

よく見る「ザ・チェア」は、チーク製のフレームにレザーの座面だと思いますが、この椅子は座面籐張りで、背もたれにも籐が巻かれた初期ver.のデザインを採用しています。

pp501-old.jpg

この籐巻きの初期ver.のビンテージ品は超レアものなんですよね〜(^^

が、なぜ籐巻きになっていたかというと、この背と肘が連なるデザインは3つのパーツでできていて、当時、現在採用されている"フィンガージョイント"のような美しいジョイント工法がまだ実現できず、ジョイント部分を隠すために籐が巻かれていたんだとか。

ある意味、技術が低かったゆえのデザインを復刻する、というちょっと複雑なシチュエーションですが、まぁ、レアものデザインですから、良しとしますかw

オーク製とアッシュ製、各100脚づつの生産で、シルバーのナンバープレートが付けられるそうです♪

詳しくはこちら。

ウィングチェア CH445【1960】

(前記事で気付いたのですが)よく見るのに、なぜか取り上げてなかった「ウィングチェア CH445」。

このチェアは、1960年にウェーグナーによってデザインされたものの、当時はわずかしか生産されず、2006年にCarl Hansen&Son(カール・ハンセン&サン)社が復刻させたんだとか。
ゆったりとした、座り心地の良さそうなデザインの中に、背にはシャープさもあり、カッコいいチェアなんですが、当時は人気なかったんですかね!?

P.スミス仕様のウェグナー家具

ファッションデザイナーのポール・スミスがデザインしたマハラム社製のテキスタイルを、ハンス.J.ウェグナー・デザインの名作家具に張ったスペシャルなコレクションが、カール・ハンセン&サン フラッグシップ・ストアで展示されています。

p-smith_wegner.jpg

と思ったら、11月9日(日)つまり昨日までだったみたい(><)
うーん、知るのが遅かったorz

本コレクションは、ウェグナー生誕100周年を記念して実現したものだそう。

レポート記事はこちら。

カラフルなカラーリングがちょっと新鮮です(^^
定番のYチェア(CH24)には、布地張り部分がないので、専用のクッションが作られたようですねw

GE-501A【1967】

ウェグナーとGETAMA社によって1967(1969?)年に生産された「GE-501」を、リニューアルした「GE-501A」です。

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プライウッドによるフレームのイージーチェアで、肘までクッションで覆うのは、ウェグナー作品としては珍しいかも!?

製作当時の成型材はまだ高価だっため、生産数は限定的だったそうですが、現在の技術を使って(以前よりは安く)蘇らせたそうです。

↑の写真だと、左のキルト張りはポップで、右の革張りは高級感がありますね〜(^^

CH88を発表♪

ハンス・ウェグナーの作品の多くを手掛けているカール・ハンセン&サン社。
こちらから、ウェグナー生誕100周年を記念し、新製品のチェア"CH88"を発売するそうです。

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このCH88は1955年にデザインされ、プロトタイプだけ製作された椅子だそうで、デザイン後60年、死後7年を経てからの商品化となるわけですね。

曲げ木技術を応用しゆったりとカーブを描く背は、「アームチェアPP701」や「ブルホーンチェア」を彷彿とさせますね。

フレーム&脚はスチール製であるせいか、最安のタイプで46,000円(税抜)〜みたいなので、結構欲しいかも(^^

もう販売期間が終了してますが、仕様など詳しくはこちら↓

生誕100周年でスペシャルYチェア

今年は、ハンス・J・ウェグナー生誕100周年だそうです。

そして、それを記念して、樹齢100年のビーチ材で作られた特別なYチェアが発売されるんだとか。

CH24sp100.jpg

もちろん限定販売で、数は400脚。シリアルナンバーが刻印されたプレートが付くとのこと。
しかも、値段は通常のYチェアと変らないんだそうです。

ほぉ〜。まぁ、たしかに(プレート以外で)見た目は変りませんからねw

で、販売は全世界でアクタスだけだとか。

なんだ、それ? つまり、ターゲットは日本人ってことですか。
さすが、世界で一番Yチェアが売れる国ww
狙い通り。。。私も欲しいなぁ〜(^^

予約販売はすでに始まってます。気になる方は、アクタスに急げ〜!!

GE-258の籐張りver.

以前紹介したことのある、H.J.ウェグナーのデイベッド"GE-258"の籐張りバージョンです。

けっこうレアものだと思いますが、こちらのお店(artract)では2脚あるようですね(^^

10数年前に造られたものらしいですが、こちら↑は角脚ver.。

こちら↑は丸脚ver.。

角脚は現行品、丸脚はヴィンテージと聞いたことありますので(こちらも10数年前のものと表記がありますが)もっと古いものの可能性もあるのかな!?

値段も丸脚の方が高いですしねw

JH-554【1960年代】

H.J.ウェグナーのソファ「JH-554」です。

肘が背と同じ高さでちょっとボックス席という印象のこのソファ、私も今回初めて観ました。
ウェグナー作としては珍しいデザインだと思います。

メーカーは品番からもわかるように、Johannes Hansen(JH)社。
いま市場に出回っているウェグナーのソファはGE(Getama社)が多いですから、それだけでもレアものといえます。

また、そっくりなデザインで、AP-18Sというソファが同時期にAP STOLEN社からも出ているようです。
ウェグナーは似たデザインのものを複数のメーカーで造ったり、1つのデザインを改良版に改良版を重ねていったりするので、製作した作品の全貌がはっきりとわからないらしいんですよねw

GE-671【1967】

H.J.ウェグナー作の、成型合板のアームが美しい3人掛けソファ「GE-671」。

ちょっとアアールトを思わせる成型合板使い、ウェグナー作品としては珍しいですね〜。
実際、発売当時は人気が無かったのか、現存数は多くなく、入手が難しいアイテムなんだそう。
もっとも近年では高評価を得ているようですがw

また、ウェグナーが好んで使っていたヨット用のロープ"フラッグ・ハリヤード"で背面を張り、座面を吊り上げ支えているので、座る人の身体と姿勢に合わせて座面が動くという
機能も兼ね備えているそうです。

おお、ちょっと座ってみたい(^^

mini bear chair【1954】

ハンス・ウェグナーの「mini bear chair」。

前回紹介した名作「ベアチェア」のミニ版(?)です。
しかしベアーチェアとは違い、製造期間が少ない上に、再生産もされていないレア品だそうです。
小ぶりなサイズは日本の家屋にも合いそうですよね(^^

まぁ、お値段はウェグナー作品だけに、とても"ミニ"ではないですけれどもw

Bear chair【1950】

まだ取り上げてなかったなんて、自分でも意外なw「Bear chair」。

ごっつい肘掛が特徴で、両ウィング付で大ぶりなデザインはまさに"熊"(笑)
で、肘掛がごっついのは、上半身や足などの荷重をかけることを想定しているからだとか。

サイズが大きいだけに、ちょっとソファーチックにルーズに座ることを念頭に置いてるんですね、さすがウェグナーw

Yチェア、立体商標と認める判決

Yチェアに関する、こんな記事を発見。至極真っ当な判決のように思いますが。。。

Yチェア、立体商標と認める判決…知財高裁

背板がY字形にデザインされた椅子「Yチェア」の立体商標登録を巡り、製造元の家具メーカー「カール・ハンセン&サン」(デンマーク)の日本法人が、登録を認めなかった特許庁の審決取り消しを求めた訴訟の判決が29日、知財高裁であった。

飯村敏明裁判長は「約60年にわたって特徴的な形を変えずに販売され、一般に広く知られている」と述べ、審決を取り消した。判決が確定すれば、同庁は審決をやり直すことになる。

同社によると、Yチェアは全世界で70万脚以上を販売。同社は日本で「Yチェア」の名称を商標登録し、その後中国製の模倣品が出回ったため、2008年2月に立体商標の登録を出願した。だが特許庁は昨年6月、「他社の商品と識別できない」と認めなかった。

(引用:読売新聞 2011年6月29日19時59分)

でも、リプロダクト/ジェネリック品と呼ばれるものは、版権切れで合法なんですよね!?
模造品との違いは?

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Wingback chair(?)【1970】

ハンス・ウェグナーの、ゲタマ社製ハイバックチェア。

(販売ページにも)品番等が書かれておらず、詳細不明なかんじですが。。。ちょっと調べたかんじでは、ゲタマ社製の「Wingback chair」として知られている椅子の"耳"(Wingback)なしVer.な気がします(^^
肘下の前脚のデザインがほぼ同じなんで。。。

ホント、ウェグナーは数多くの作品(ver.違い・リデザインを含む)を手掛けているので、詳細がわからない作品もたまに出てきますねーw

AP-16【1951-60】

ハンス・J・ウェグナーのイージーチェア「AP-16」です。

1951〜1977年までの間、ウェグナー作品を多く手掛けたAP Stolen社製。
AP-16のハイバックタイプは、AP Stolen社製の中でも最も古いモデル(1951年)だそうですが、こちらのウィングバックタイプはいつ発表されたのか、はっきりわからないそう。(おそらく1951〜60年の間)
ウェグナーは多大な数の作品を残してますから、いつの作品かよくわからないものもちょくちょくあるんですよねーw
まぁ、それだけレアな作品ということでもあるわけです(^^
それだけに、値段も超。。。(略

GE-290か、GE-240か?

追加で、ご質問を頂きました。

立て続けに申し訳ないのですが、実は290と240で迷っていまして、290は実際座ることができたのですが、240はまだ見れていない状況です。
不躾ではございますが、ICHIRO様のそれぞれのチェアについて見た目や座り心地での感想などございましたら参考にさせていただきたいので、お聞かせ頂けないでしょうか。
よろしくお願い致します。。

読者さん、ありがとうございます。
さて、GE-290(左)とGE-240(右)ですね。

ge290.jpg ge240.jpg

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GE673【1967】

ハンス・ウェグナーのロッキングチェア『GE-673』。

ウェグナーのロッキングチェアといえば『J16』が有名ですが、こちらのロッキングチェアはほとんど見たことないですねー。

肘や前脚がごついくて無骨な印象的のデザインですね♪
デザインのポイントになっている前脚前面の大きな穴は、座のキャンパスを取り外すのに両サイドの丸棒を引き抜くためのものだそうw

座り心地もよさそう☆

W-2【1953】

ハンス・J・ウェグナーの椅子「W-2」。

ウェグナーの作品はかなりチェックしてる私ですが、「W-2」は初耳の名前。
見た目は「JH-1」ぽいけど。。。と思ったら、JH-1の貫がないバージョンだそうw

メーカーは、"C・M・マドセン"社。こちらも初耳w

「JH-1」も「W-2」も同じ1953年のデザインだそうですが、「W-2」が先で、後にリデザインしたものをヨハネス・ハンセン社で発表したのではないか、とされているそうです。

北欧スタイル『IKEAデザイナーの課外授業』

北欧スタイルの最新号は、『特別開講!IKEAの課外授業はじめます』と題したIKEA特集がメインですが、『ウェグナー大辞典』という16ページに渡る特集記事もあり、ウェグナー・ファンは必見です♪

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IKEA特集の主な目次はこんなかんじ↓。

Lecture1☆IKEAデザイナーに聞く、IKEAベストセラーデザインの秘密
Lecture2☆オフィスも自宅も全部IKEA!まるごと暮らしのコーディネート
Lecture3☆デザインショップ&オフィスに学ぶ、IKEAを高級にみせる使い方
Lecture4☆子どもの部屋で見つけたIKEAのポップな使い方
Lecture5☆マイ・インテリアにIKEAを合わせる方法

そのほか、IKEAご当地ガイド、聖地・エルムフルトへの旅、などなど。

IKEAデザイナーへの取材がメイン・コンテンツとなっているのですが、全体的にもうひとつの印象(T.T

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白と黒の限定Yチェア

ウェグナーファンに限らず、インテリア好きにはおなじみ「Yチェア(CH24)」。

そのYチェアに「ブラック&ホワイト」バージョンが登場します♪
8月26日から伊勢丹新宿本店で限定発売される、とのこと。

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なんでも、このホワイトバージョンは、世界ではじめてホワイトペーパーコードの座面が採用されるほか、メープル材のホワイトオイルフィニッシュのフレームが日本初展開となるそうです。

白フレーム×白座面、白×黒、黒×白、黒×黒の4タイプ(各限定50脚)が発売されるそう。

個人的には、白×白か、白×黒がよいかなー♪

お値段は¥103,950と、ナチュラルバージョンよりちょっとお高めですが、うーん、ほしーい☆

くわしくはこちら。

「ザ・チェア」のリプロダクト

「ザ・チェア」のリプロダクト(ジェネリック)製品です。

↑こちらの仕様で、39,800円!!
リ・プロダクト品とはいえ、The Chairとしては破格ですねw

正規品なら、4〜50万は余裕でしますからね。どうしても、庶民には手は届かない高嶺の花ですから、うれしいっちゃうれしい!?

しかし、ちょっとプロポーションが悪い気がするなぁ〜?

GE-375【1969】

Getama社のソファーでは、GE-290とともに、人気・評価の高い作品である『GE-375』。

座の延長が後脚となっている、ウェグナー得意のデザインで、背と座の角度が深く安楽性の高い作品です。

また、肘は広く、水平が保たれているため、コーヒーカップやグラスを置くことも可能♪

そして、この3シーター、各シートが独立しているので、分裂させて、2シーター+1シーターとか、1シーターを3つとか、自由に組み合わせることができます☆

なかなか使い勝手がよいソファですよね。

【サイズ 】
W2,150×H950×D780×SH420mm

【材質】
オーク、オリジナル・ブラウンレザー

Wegnerのスツール

ウェグナーデザインのスツール(オットマン)を集めてみました♪

左:PP120 中:GE ottoman 右:CH53


オックスチェア オットマン

スツールといえど、ハンス・ウェグナーのデザインですから、侮れません☆
値段も手ごろですしねw

CH-30【1952】

ちょっとCH-23に似たダイニングチェア『CH-30』。

背と後脚のジョイント部分の"契り"がハンス.J.ウェグナーぽいですね♪
オークとチークの使い分けも、ウェグナーらしいところ☆

エアポートチェア(CH401)【1958】

デンマークの玄関口で、世界一美しいと言われている、デンマークのコペンハーゲン郊外のカストラップ国際空港のためにデザインされた椅子です。

そのような由来から、別名エアポートチェアとも呼ばれています。

元々、製作していたAPストーレン社、ヨハネス・ハンセン社が廃業してしまった現在は、カールハンセン社が復刻しました。

ちなみに、この空港内には、ポール・ケアホルムのPK22も多く置かれているそうです。

CH44【1965】

軽快かつコンパクトにデザインされたイージーチェア『CH44』。

このチェアは、18世紀のイギリス様式家具がルーツとされます。
非常にシンプルながら、ウェグナーならではのエッセンスを感じさせる名作ですね♪

強度を高めるために、肘と後脚の結合部分を直角にするなど細かい工夫が見られ、別売りの専用のクッションを置くことで座り心地は格別なものになります。
このクッションは、羽毛を使用しており、取り外しも自在。

実際にカールハンセン社のショールームで座りましたが、すわり心地はさすがウェグナーです☆

The Heart chair【1952】

座面形状から、この愛称で呼ばれる『The Heart chair(ハートチェアー)FH-4103』。

3本脚なのが特徴的なこの椅子ですが、デンマークには他国と比べて3本脚の名作椅子が非常に多いそう。
なんでもデンマークの古い民家は凸凹の土間が多く、そういった場所では3本脚の方が安定するから、と言われています。

3本脚椅子としては、アルネ・ヤコブセンのアントチェアがもっとも有名!?
ヤコブセンがこの椅子を発表した翌年、ウェグナーが初めての3本脚の椅子、つまり、このハートチェアをデザインしたそうです。

ウイングチェア(CH445)【1960】

1960年にデザインされたウェグナーの『ウイングチェア(CH445)』。

先日、外苑前にあるカール・ハンセン&サン社のショールームで初めて座ってきました。

カール・ハンセン社ショールームのレポート。

ウイングの様に広がった背もたれが印象的なデザインですね♪
ハンス・ウェグナーデザインだけあって、すわり心地も抜群。

座面が広いので、横を向いたり、足をたたんで体育座りをしたりと、同じ姿勢でいなくてもいい、まさにイージーチェアですね♪

外苑西通りのO-ROSE FURNITURE

カール・ハンセン社ショールームを出たあと、外苑西通りを歩いてると、ショーウィンドウにデンとサークルチェアを飾っている家具屋『O-ROSE FURNITURE (オーローズ・ファニチャー)』を発見♪

しかも、ウィンドウの下壁には、ザ・チェアやChinese chairなどH.J.ウェグナーの椅子のシルエットイラストが描かれているではありませんかぁ。
これは、入らないわけにはいきませんw

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店内には、ウェグナーのPPモブラー社製の椅子がズラリ♪

ザ・チェア(PP-503)を眺めながら「こちらは現行品中心のお店なんですか?」とオーナーさん(?→あとで頂いた名刺の肩書きは"取締役"でした)にたずねると、「ええ。みなさん誤解されてるんですけど、ザ・チェアはヨハネスハンセン社などのビンテージものよりも現行品(PPモブラー社)の方が品質がいいんですよ。ウェグナー自身もそうおっしゃってます」と熱く語っていただきました。

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カール・ハンセン社ショールーム

Yチェア(CH-24)やCH-36などH.J.ウェグナーの椅子を作りつづけていることで有名なデンマークの家具メーカー「Carl Hansen&son(カール・ハンセン&サン)」。
今年(2008年)100周年を迎えたそうです。

そのカール・ハンセン&サン社の、外苑前にあるショールームに行ってきました♪

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場所は、東京メトロ・外苑前駅から歩いて3分ほど、ビジネスビルの1Fにあります。

ショールーム内には、Yチェア(CH-24)をはじめ、CH-25,CH-28,CH-36,CH-44,スリーレッグド・シェルチェア(CH-07)などのウェグナーの名作椅子が並び、座り放題なのがうれしいところ♪

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CH53・スツール【1966】

1966年に発表された『CH53 スツール』。

ビーチまたはオークの木材にペーパーコード、というとてもシンプルな作りのスツールです。

前年に作られた「CH44 イージーチェア」の、組み合わせフットスツールとして作られたそうですが、Yチェア(CH24)CH36あたりと並べて置いても、いいかんじだと思います♪

座面の高さは360mmと410mmの2種類を用意(体格に合わせて選べる)してあるなんて、さすが、ウェグナー! 芸が細かい☆

国立新美術館の名作北欧椅子

2007年1月にオープンした、建築家・黒川紀章氏の遺作である「国立新美術館」に行ってきました。

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黒川紀章氏といえば、世間一般的には、晩年の選挙活動を通じて"奇人"という印象でしょうが、建築を勉強した人間にとっては、"鬼才""巨匠"と言っていい偉大な建築家です。

地下鉄千代田線乃木坂駅から歩いて数分、木々に囲まれてこの美術館はあります。

前面を覆うガラス・カーテンウォールが大波のようにうねるファサードが、近代的で印象的な建物です♪
天井高21mのエントランスロビーのアトリウムには、日の光りが燦々と降り注ぎます。

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CH-22【1951】

H.J.ウェグナー、1951年の作品『CH-22』。

1946年にアメリカで、チャールズ・イームズにより成型合板製の三次元曲面が実現されて、その後、にわかに世界中で座面の三次元曲面化が進みました。
この椅子も、その時代の、ウェグナーの試みのひとつの作品です。

プロポーションはまだ洗練されていない感もありますが、座り心地の評価は高いチェアとなっています♪

現在では生産が終了していますので、ビンテージ(中古)でしか手に入れることができません。

CH20エルボーチェア【1956】

1956年にデザインされながら、製品化に至らなかったウェグナーの『CH20・エルボーチェア』。

当時としては費用・技術面から量産に結びつかず、プロトタイプを製作しただけでその役目を終えていたものが、半世紀の時を超えて、2005年に製品化が実現、ウェグナーの新作として世界に発表されました。

ちょっとカウホーンチェアを思い出させるデザインで、美しいですねぇ♪

さらに、こんなにきれいなフォルムなのに、しっかりとスタッキングもできます。
さすが、ウェグナーの椅子、実用性もバッチリです!

ダイニングチェアPP701【1965】

ハンス・J・ウェグナーの作品としては珍しくスチールフレームをもつダイニングチェア『PP701』。

ウェグナーが自宅のためにデザインし、妻のインガ夫人お気に入りの一脚でもあるそうです。

最大の特徴である、繊細で美しい笠木は、4つの無垢材を2枚の薄い木材で寄せ木にし、さらに十字型の「契」で結んだものを職人の手により丁寧に削り出したもの。
木にこだわりを持つウェグナーらしい作品ですよね♪

また、木・スチール・革という3種類の素材のコンビもいいですねー。

The OX chair【1960】

雄牛(オックス)という名前を冠した『The OX chair(ジ・オックスチェア)』。

雄牛というより、ハンマーヘッド・シャークの方が雰囲気、という気もしますがw
どちらにしても、圧倒的な迫力と力強さをイメージさせるデザインですね♪

張りぐるみの椅子だけれども、クッションが硬めで、座り心地は抜群だそう。

さすが、ウェグナーです♪

CH29【1951】

イージーチェアタイプの「CH28」と同時に発表された名作ダイニングチェア「CH29」。

ch29.jpg

より少ない部品で、より丈夫な椅子を作るべく試行錯誤を重ねた結果、X字型の構造を持つ美しい椅子が誕生したとのこと。
特徴的なスリットが入った背板は背中まで斜めに延びた前脚に取り付けられ、椅子を引く際の取っ手の機能を果たしています

このCH29はいったん生産が中止されたものの、1993年に生産が再開されています。

先日、目黒通りの北欧中古家具屋『Fusion Interiors』でこれのビンテージものを見かけました。
うーん、ちょっとほしい♪

ちなみに、『Fusion Interiors』ではけっこうウェグナーの家具を見かけますので、お探しの方は要チェックです。!

GE-260【1950】

1950年にデザインした、イージーチェア『GE-260』。

1950年からの約20年間、つまりウェグナー35才ぐらいからの20年間は、彼がもっとも多くの作品を手がけた期間です。

そんな彼の黄金期の先駆けの時期にデザインした『GE-260』は、派手さはないものの、きわめて安楽性が高く、プロモーションを美しい逸品です♪

ピーターズチェア&テーブル【1943】

ウェグナーが、親友のデザイナーであるボーエ・モーエンセンに息子ピーターが誕生したときに、それを祝ってデザイン&プレゼントした『ピーターズチェア&テーブル』。

その子の名前・ピーターを冠しているわけですが、そのピーターの名付け親もウェグナーだそう。
なんと、彼の父親の名もピーターで、尊敬する父親の名を親友の息子にプレゼントしたのだとか。

ウェグナーとモーエンセンの絆の深さを物語ってますねー♪

さて、肝心の家具のほうですが、釘やネジは一切使用されておらず、手で簡単分解、組み立てられるノックダウン構造となっているそうです。
また、木の温もりに触れられるよう一切塗装を施さず、安全面に配慮し、角を丸く加工しています。

ピーターにプレゼントされて以来、50余年を経た今もなお売れているベストセラー作品です♪

ロッキングチェア PP124【1984】

H.J.ウェグナーが作った数あるロッキングチェアの中の代表作・PP124。

以前紹介したロッキングチェアJ16は、妊婦さん向けに設計されているそうですが、こちらはウェグナー個人が寛ぐこと、安らぎを求め、個人的にデザインした椅子だそうです。

背部がフラッグハリヤード(ヨットで掲揚する際に使用するロープ)で作られているため、弾力性があり、涼しげに楽しめる椅子になっています♪

CH33【1958】

丸っこい、流線型の背が特徴的なダイニングチェア『CH33』。

脚が直立ではなく、さりげなく裾広がりになっているのが、憎いですねぇー♪
これにより、安定感も増しているようです。

背と後脚のジョイント部分も、あえて"契り"を見せて、デザインポイントとして活かしています。

なかなかの逸品です♪

Yチェアのネックレス

アハハハ、こんなのあるんですねー、Yチェアのネックレス♪

シルバー製で、サイズは1.6×2.8cmだそうです。
欲しいか?と言われるとちょっと微妙な気もしますが(笑)

権利関係はどうなってるんでしょう?
デザイン版権切れしているYチェアですから、こういう形にしても問題ないんですかね!?

そういえば、以前カリモクでKチェアのストラップ↓を限定発売してました。

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これのYチェア版ならほしいなぁー♪

ダイニングチェアPP58【1987】

ウェグナー、80年代後期デザインのダイニングチェア『PP58』。

浅く掛けても、深く掛けてもフィットするように、徹底的に「座り心地」を追求してデザインされたそうです。

一本の太い角材を蒸気熱で蒸して曲げることに成功、それにより実現した笠木が、木目や木肌の美しさを堪能できる、高級感あるデザインとなっています。

ウェグナーらしい繊細さより、ちょっと剛健なイメージですよね。
実際、ウェグナー作品の中では頑丈な部類に入るようです♪

イージーチェアCH-25【1951】

カール・ハンセン社から、Yチェア(CH-24)と同時期に発表したイージーチェアCH-27のリ・デザインモデルであるCH-25。

CH-27よりもデザインがおとなしくなりましたが、サイズがやや小ぶりとなり、日本人の体格にもよくなじむものになっています。
座の延長が後ろ脚となる構造は、ウェグナーが好んでよく用いた手法です。

Yチェア同様、現在も生産され続けているロングセラー作品だそうです。

横姿(→やや斜め後ろからがベスト!?)がカッコいいイスですよね♪

ダイニングチェアCH-23【1951】

名前を見て判るとおり、Yチェア(CH-24)と同時期に発表された、ダイニングチェア「CH-23」。

このチェアのデザインポイントは2つ。

1つは、背板と後脚のジョイントを"契り"にして、"見せるジョイント"にしていること。
それまでは"隠す"のが当たり前だったジョイントを見せることによって、その後の流れを変えるきっかけになったそうです。

2つめは、座を両側の貫まで張っていること。
これで強度を高めているそうですが、これは現在も珍しい仕様ですねw

デザイナーズチェアとしてはシンプルな椅子ですが、ダイニングチェアとしては必要十分で、飽きがこなくてよいですよね♪

The Flag Halyard chair【1950】

ハンス・J・ウェグナーぽくない印象の"The Flag Halyard chair(フラッグハリヤード・チェア)"。

ヨットで、旗を抑揚する際に使用するロープ<フラッグハリヤード>をフレームに張った寝椅子です。
スチールのフレームといい、付属の毛足の長い羊の毛布といい、ウェグナーらしくない気もしますがw、座り心地はウェグナーらしい安楽性の高い椅子だそうです♪

ただし、値段は目が飛び出る100万円超!!(笑)
さきの毛布とクッションが付属しますが、それにしても高〜い。

とても買えないので、どこかで座り心地だけでも確認してみたいところですw

サークルチェア【1986】

"Circle chair(サークルチェア)"もしくは"Hoop chair(フープチェア)"と呼ばれる椅子です。

この椅子が最初にデザインされたのは1965年だそうです。しかし、商品化されず、長い年月を経て、やっと1986年になって商品化されました。

というのも、当初、この椅子の大きな特徴である、丸いフレームを金属パイプで作ることを想定していたそうですが、長い年月を経て、木材でこれを実現する技術が進歩し、商品化にこぎつけたそうです。

さらに、この椅子の美しさを印象付けている、放射状のロープはヨット用のもの。
ロープの結び目を作ると背にあたり、違和感を生じるためすべて金具とめにしてあります。

こちらも、ウェグナーの代表作として知られる逸品ですよねー♪

ダイニングチェアCH36【1962】

シェーカーチェアをリデザインした、ダイニングチェア"CH36"。

"Yチェア(CH24)"同様、手作業による全体の組み立てと、ペーパーコードの座の張り以外は、機械生産を導入しているため、比較的安価な逸品です。

背もたれがすっきりとしたシェーカータイプなので、背がゆったりとカーブしているYチェアほどスペースをとらずに、コンパクトなダイニングルームの場合にはこちらの方が適しているといえます。

しかし、座面の横幅はYチェアよりも少し幅広なため、コンパクトなわりに、ゆったりとした座り心地です。

たしかに、ダイニングチェアとしては、YチェアよりCH36の方がよいかもしれませんねー♪

ただ、その場合、同じくシェーカーチェアをモデルにした、ボーエ・モーエンセンの名作J39も捨てがたいと言えますw

"Yチェア"のジェネリック

言わずと知れたハンス・ウェグナーの代表作"Yチェア(CH-24)"。

日本でも人気の椅子ですが、不思議と中古品って出回ってないんですよねー。
まぁ、デザイナーズチェアとしては新品でも安いですから、本国(海外)から中古品を仕入れないのはわかります(コンテナ代で新品と値段がかわらなくなる!?)が、国内のものが流出してもよいと思うのですが。。。

そんなわけで気になるのは、ジェネリック(リプロダクト)品。

ジェネリック品って、ご存知ですか?
医薬品などで聞いたことはあるかもしれませんが、家具の場合、意匠版権の切れた製品をオリジナルに忠実に復刻したものです。(※くわしくは下記参照)

最近は、正規品が高価なバルセロナチェアやイームズのラウンジチェアなどがけっこう出回ってますね。

→つづきを読む♪ ""Yチェア"のジェネリック" »

ロッキングチェアJ16【1944】

シェーカーのロッキングチェアをモデルにしたウェグナーの名作・J16。

このJ16は、ウェグナーのデザインとされていますが、専門家筋は彼の親友ボーエ・モーエンセンとの共同作品だと見ているそうです。

というのは。。。
1940年代後半、デンマーク・コペンハーゲンでシェーカー家具の展示会が開催され、
当時フリーのデザイナーだったウェグナーと、FDP(現クビスト)社の雇われデザイナーだったモーエンセンが訪れ、シェーカーのロッキングチェアに腰掛けて話をしていたそう。
そこへ、FDPの社長がやってきて「うちもロッキングチェアがほしいので何とかしろ」と言い残し去っていった。

その後、2人共同で開発した(らしい)ものの、サラリーマンだったモーエンセンはこのイスの契約書にサインはしなかったと思われる、とのこと。

ちなみに、このチェアのアーム前方部分が少し外に開いているのは、当時ウェグナーの奥さんが妊娠中だったので、妊婦さんが「出入り」しやすく設計されているそうです。

ウェグナーらしい、温かみのあるきれいなデザインですよねー。

また、1998年にユーザーの要望に応えて、フットスツールも作られました。

イージーチェアPP112【1978】

18世紀初めにイギリスのウィンザー地方から広まり、多くの椅子に影響を与えた"ウィンザーチェア"。
そして、そのウィンザーチェアをリデザインしたといわれる、ウェグナーの代表作"Peacock chair(ピーコックチェア)"

どちらも、背のスピンドル(縦棒)が特徴的なわけですが、こちらのイージーチェア(PP112)もスピンドルづかいが独特ですねー♪

いわゆるウィンザースタイルと呼ばれる形から脱却し、同じく彼の代表作"Chinese chair"と、"ウィンザーチェア"を融合させたような印象を受けます。

単独でオブジェ的な使い方よりも、ラウンジチェアなどとして実用的に使いたい逸品ですw

フォールディングチェア【1949】

ウェグナーのイスの中でもめずらしい(!?)折り畳めるイス、フォールディングチェア(PP512)。

このイスのように座の延長が後脚となっている構造は、ウェグナーが得意とするスタイルのひとつです。

折り畳んだイスは、↓のようにフックにかけられるように、座の下の貫に凹みがもうけられています。

それにしても、折り畳み椅子で50万円オーバーと言うのは、なかなか。。。ウェグナーの作品じゃなきゃ許されません(笑)

デイベッド GE-258【1960】

先日、目黒通りの北欧中古家具屋『Fusion Interiors』に行った際、展示してありました、ウェグナーのソファベッド"GE-258"。

おぉ、コレ、私もけっこう中古家具屋めぐりをしていますが、実物を見たのは初めてです。

背もたれを上げるとベッドになるという、ちょっと変わった機構のソファベッドなんですよねーw
(詳しくは↑写真をクリック!)
で、背もたれの中には枕や毛布など収納できます。
それゆえ、背もたれ部分はちょっとゴッツイです。。。

とはいえ、前から見れば、ウェグナーらしい繊細なデザインなんですけどね♪

ちなみに、ビンテージ物は丸脚、現行タイプは角脚だそうです。
やっぱ、丸脚の方がいいですねー。

Easy chair GE-240【1955】

以前紹介したGE-290と、人気を2分するGetama(ゲタマ)社のGE-240。

GE-290と比較すると、線が細く、シャープな印象のイージーチェアですね。

現在は生産されていない作品ですので、ヴィンテージものを手に入れるしかないわけですが、スプリング式のクッションを採用しているため、それのコンディションが要かもしれません。

アームにはチーク材、脚にはオーク材と素材を使い分けていて、ウェグナーのこだわりが感じられます。
もっとも、素材の組み合わせは何種類かあるようですが。。。

ウェグナーらしい逸品です♪

Easy chair GE-290【1953】

ウェグナーの、この手のイージーチェアの中では一番人気(!?)といえるGetama(ゲタマ)社のGE-290。

座の延長が後脚となる特徴的な構造で、これにより背と座の角度が深くなり、高い安楽性がもたらされます。

現在でもデンマーク本国では生産されておりますが、なかなか国内では入手は容易ではない逸品です。

いいですよねー、これ。
ちなみに、ハイバックタイプもあります。

スリーレッグドシェルチェア【1963】

いわゆるウェグナーぽくない、派手なデザインのイスというかんじのこの"スリーレッグドシェルチェア"。

第二次世界大戦後、成型合板による三次元曲面の実現に世界中の家具デザイナーが挑戦を繰り返していた頃、同じくウェグナーも試みたイスのひとつが、フリッツハンセン社から発表した"シェルチェア"。
それをさらに発展させたものがこの"スリーレッグドシェルチェア"です。
発表当時は商品化(量産)されませんでしたが、近年商品化されるようになりました。

3本脚なのに安定感のあるたたずまいで、派手さとは裏腹の座り心地のよさのは、さすがウェグナーです(笑)

ちなみに、これらウェグナーが考えた成型合板のイス"シェルチェア"たちが、イームズに影響を与え、彼の代表作"ラウンジチェア"を生むことになったそうです。

ザ・ブルホーンチェア【1960】

前回紹介したのが、カウホーンチェア(牝牛の角)。
で、今回のがブルホーンチェア(雄牛の角)です。

肘を牛の角に見立てて、名づけられているわけですが、ブルホーンチェアはその名の通り、ゆったりと肘を掛けられるよう、カウホーンチェアよりも長めに作られています。

個人的には、カウホーンよりこちらのブルホーンの方が好きですねー、美しいと思います。

このイスもバリエーションが多く、笠木の幅に変化を持たせたものやジョイントの違い、貫の有る無しなど10種類以上のバリエーションモデルが発表されているそうです。

ザ・カウホーンチェア【1952】

牛の角のようなデザインの肘をもつ、ザ・カウホーンチェア。

ダイニングチェアとして丁度よい長さに計算された短めの肘と、その見事なまでの曲線美が非常に特徴的です。

また、カウ(牝牛)ホーン(角)に対する、ブル(雄牛)ホーンチェアというのも存在します。
ブルホーンチェアはカウホーンチェアよりも長い肘で、まさに雄牛!

どちらも、笠木を後ろ脚の2点だけで支えるという、木を知りぬいた上に、高い技術力がなければ成功しない構造です。

背座の中心部にあるジョイントが、デザインのアクセントにもなっており、ウェグナー・デザインの真骨頂でしょう。

ピーコックチェア【1947】

背の形が孔雀の羽を広げたように見えるところから"Peacock chair(ピーコックチェア)"、あるいは、背のスピンドルが矢に似ているところから"アローチェア"と呼ばれています。

ウェグナー得意のリデザイン。
この椅子はイギリスのウィンザーチェアのリデザインです。

ウィンザーチェアとは、18世紀初めにイギリスのウィンザー地方から広まった椅子の形式のことで、座板にスティック状の脚や背の部材を直接接合する構造を持っています。

→つづきを読む♪ "ピーコックチェア【1947】" »

ウェグナー追悼展に行ってきました。

6/14〜7/10まで開催されていた『Thank You For Wegner〜ハンス・J・ウェグナー追悼展〜』へ行ってきました。

thankweg1.jpg

場所は、新宿パークタワー3FのOZONEプラザ。
ウェグナーデザインの家具30種類と、彼に影響を受けたデザイナーや建築家など各界のクリエーター28人から寄せられた追悼メッセージとともにその偉大なる業績を振り返ります。

展示家具に関しては、YチェアやThe chair、Chinese chairなどの椅子が中心でしたが、これだけの数の名作椅子に自由に触れて座れる機会はそうありませんので、楽しかったですねー。

追悼メッセージは、喜多利之氏(デザイナー)、深澤直人氏(プロダクトデザイナー)、島崎信氏(武蔵野美術大学名誉教授)など錚々たるメンバーでした。

また、家具の一部は同ビル5Fのショールーム「ノルディックフォルム」で購入可能ですが、書籍やポスターなどの物販はとくになかったのがちょっと残念でしたねー。

Valet Chair【1953】

ウェグナーの代表作のひとつです。
背がハンガーになっていることで有名ですが、実は座も手前に引き起こすとズボン掛けになっているんですねー。
さらに、座の下はボックスになっており、ポケットの中の小物が入れられます。

valet2.jpg

うーん、それは私も知りませんでしたよー。
そのため、この一脚があれば身の回りが片付くことから"バチェラーズ(独身者の)チェア"とか"ヴァレット(従者)チェア"と呼ばれているそうです。

たしかに、たいていの独身者の男性は、脱いだものをそのままイスやソファに引っ掛けておきますからね(笑)

また、3本脚が特徴的なイスなわけですが、元々この作品が発表される前は、4本脚バージョンが発表されていたそうです。

ザ・チェア "オールドタイプ"

先日、ザ・チェアを取り上げましたが、ハンス・ウェグナーはリデザインを繰り返すこともあり、現在作られているこの椅子とは少しデザインが違う"オールドタイプ"というのが存在します。

このオールドタイプの現在のモノとの違いは、笠木の背の部分に籐が巻かれて、ジョイント部分が隠されています。
いわゆる、笠木のフィンガージョイントという方法がまだ取り入れられていなかったそうです。

oldtype.jpg

このオールドタイプを、表参道の中古家具屋で見つけてしまいました♪
私もこのタイプを目にするのははじめてなので、えらく感動してしまいましたよ。

↓見つけた家具屋はこちら。

H.P.DECO 【HP
渋谷区神宮前5-2-11
TEL.03-3406-0313
営業時間 11:00〜20:00
不定休

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Chinese Chair【1944】

中国・明朝時代の椅子をリデザインしたものとして有名で、既出の"Yチェア"や"ザ・チェア"などを含めたウェグナー・デザインの原点と称される作品です。

また、このチャイニーズチェアを、ウェグナーは少なくとも9種類はデザインしているそうです。

一例としては、初期型のモデルは削り出しによって作られた三次元曲線の笠木だったのを、「トーネットが考案した曲木」を使った笠木にリデザインしたことで、量産が可能になったとのこと。

ウェグナーが頻繁に用いた方法論のひとつが、機械工程を増やし、量産化を実現するためのリデザイン

ウェグナーがイスのデザイナーとして一番尊敬しているのが「チャールズ・イームズ」
らしいのですが、なるほど、納得のいく話ですね。

ザ・チェア【1949】

PP503 : ザ チェア

ウェグナー作品の中でも、最高傑作のひとつに挙げられる『ザ・チェア』。
美しいプロポーション、掛け心地のよさなど完成度の最も高い作品と言われています。

そして、J・F・ケネディーとニクソンが大統領選のテレビ討論会時に使った椅子として有名ですね。

話が変わって、4年ほど前になりますが、下記のような展示会がありました。

chair130.jpg
●武蔵野美術大学近代椅子コレクション
  名作椅子130脚に座る -椅子デザインの系譜と座り心地-

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Y-chair 【1950】

言わずと知れた、ハンス・ウェグナーの代表作"Y-chair(チェア)"。
数あるウェグナーの作品の中で、最も日本人に人気があり、かつ、最も売れた椅子です。

全世界で50万脚以上がいままでに売れたそうで、超ベストセラー作品と言えます。

中国は明朝時代の椅子をリデザインをしたものとして有名な"Chinese chir(1943)"、ケネディとニクソンのテレビ討論会で使われたことでこれまた有名な"The chai(1949)"、この2つの椅子のデザインの延長線上で、Yチェアは生まれたといわれます。

つまり、Y-chairのルーツは東洋にあり、それゆえ日本人に好まれると考えることもできます。

ただ私が思うに、一番の要因は、有名なデザイナーズ家具なのにお手頃なお値段であるせいでは?(笑)

このYチェアは、その製作工程のほとんどで機械によって加工がなされるそうです。
手作業は、全体の組み立てと、ペーパーコードによる座の部分の編みこみぐらい。

だから、ほかの椅子と違ってお手頃な価格なのでしょう。

しかし、この機械製作にもかかわらず、クラフト的な美しさや温かさをキープしているのが、このYチェアの秀逸さであり、人気の秘密なのだと思います。

『ハンス・ウェグナーの椅子100』

まずは、ハンスJ・ウェグナーの椅子100脚を取り上げている本をご紹介。

chair100.jpg

500脚を越える椅子をデザインしたウェグナーですが、その中からの選りすぐり100脚を見ることができます。

これらを眺めていると、「椅子の巨匠」と呼ばれるに相応しいデザインでありながら、彼の実直で堅実なありようがとても感じられます。

実際、彼は自分のことをデザイナーではなく家具職人と考えているそうです。

そして、木製の椅子へのこだわり。。。
連続してみると、たしかにみんなそれぞれ似ているですよ。
しかし、単純な自己模倣ではなく、それぞれ進化&深化させているというのがわかります。

椅子のほかにも、ウェグナーの自邸やウェグナー博物館の紹介記事もあります。
面白い話では、ウェグナー博物館の地元では彼に対する関心はさほど高くなく、そこを訪れる日本人の方がよっぽど高いそうです(笑)

また、なかなか日本では知られていないデンマークの家具業界の実情なんかも垣間見れます。
デンマークには名作家具が多いですが、それらを生み出すデザイナーと職人の関係、それを支えるマイスター制度などが紹介されています。
ホント、日本人には羨ましい環境ですよー。

ウェグナーファンには、必見の本ですね。

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Profile

市朗。横浜在住。
建築学科卒。30代。
ハンスJ・ウェグナーのほかF.L.ライトなんかが好き。
木フェチ。チークはいいですよねー。

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